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2014年2月28日金曜日

カンボジア体験 Experience Cambodia  <その2>

まるです。

いよいよカンボジアでしかできない体験をプログラムを通してご紹介します。


「奉仕」と「協働」を勉強する体験プログラムでは、参加者はこのような服装で働きました。
これは仏教国では奉仕をする人の格好だそうです。

 
お掃除がんばりまーす!  




体験プログラムでこのような格好をするのは2つ意味があります。


1.この際、思い切り「奉仕」に専念するため
2.仏教国ではこのような格好をする人たちは一目で「奉仕者」と区別することができます。観光地ではないところで活動するためには、狙われやすい日本人にとっては自分の身を守り、相手にも悪いことを起こさせないための大事なコスチュームです。

今回の奉仕作業は主に、DACCの常駐スタッフが普段行っていることを体験するということ。
そのメインは「清掃」です。


まずは建物内すべてと周辺道路の清掃を行いました。

         
お~!ぴっかぴかで気持ちがいいです!



  
センターに面していない通りはゴミだらけ。小さく見えてるのは全部ゴミです 
          












<ゴミについて少し・・・>
ゴミの後ろにあるのはゴミ収集車用ゴミ箱で、契約をしてる家にだけあるもの。1週間に2回の回収で毎月13.2ドル支払っているのにかかわらず、ちゃんと回収にきてくれないこともあり、苦情を言っても何にも変わらない状況だそうです。日本ではありえないですね。。。
ほとんどの家々はゴミ一切なんでもかんでも付近で焼いているようです。ゴミの内容は様々ですが衣類や紙おむつ、食品の包装や生活用品、幹線道路に近いせいか、マスクのポイ捨てが目立ちました。




実は最初は正直なところ、「掃除かぁ。。。」という思いで始めました。他の参加の方にもそんな方がいたかもしれません。
ところが黙々と続けているうちに自分もまわりにも変化が。。
終わったころには、心までピッカピカになったようなすっきり感と、一緒に汗を流して働いたことでまだ出会ったばかりの人同士がつながりができ始めたのを感じました。


 うじが終わって振り返ると花だけが道に咲いてました


ゴミ拾いをしていたときに近所の子どもたち5人ほどが通ったので、一緒にゴミ拾いやろう!と声をかけました。
反応した子が一人、お菓子のゴミをひとつだけ拾って渡しにきて、それで終わりでした。。。

自分たちが住んでるところをよその人がきれいにしてくれてるのになぁ。。とちょっと残念という思いと、反応した子どももいるんだ!という嬉しい思いと両方でした。
2年間ここでこの活動をしてきて地域の人たちにどのような変化がありましたか、という質問に駐在スタッフが答えてくれました。
本当に少しずつ少しずつだけど、良くなってきているのを感じているとのことでした。最近では道のゴミ拾いをしていると遠くの方で子どもがゴミを拾ったり、女性が道を掃いてる姿が見えるようになったとのこと。カンボジアはシャイな方が多く、一緒にやる!というのではなく遠くから参加、という控え目なかんじらしいです。


次におこなったのが支援物資の仕分けです。自分たちで日本から運び込んだものを詳細に仕分けました。
今回出発前に募集させて頂いたタオル100枚もここにあります。



<支援物資について少し・・・>
NPOのボランティアセンターに、全国から心ある支援物資が届き、カンボジアに来る人がいたら(今回の私たちの様に)物資の運搬をお願いしているそうです。限られたキロ数しか運べないので、センターの倉庫にはカンボジアに持ってきたいけど持ってこれないものがたまってきているそうです。
物資をカンボジアまで運んでくださるだけでも十分なボランテイアになります!と駐在スタッフが話されていました。





カンボジアは1960年代に内戦が30年も続き、飢餓と大虐殺で200万から300万人が殺された歴史があり、いまだ地雷で傷つく人々もいて戦争の爪あとは深く生々しいです。戦争体験者は30歳代からおり、親しくなって話した人が想像を絶するような体験をしていることもありました。


今のカンボジアに必要なこと、それは「教育」です、とNGO Hope Of Cambodiaの代表が以前お話してくださったことがあります。

  




一緒にゴミ拾いしました












必要なところへ必要なものを必要なだけ届ける、そのためには信頼できる地元NGOとの連携は重要です。

これまでのNPOの活動は、HIV感染者の人たちのスラムや貧しい人々が無料で診てもらえる病院に支援物資を届けたこともありました。多数の孤児院にも支援物資を届けることがありましたが、ひとつの孤児院に長期的に関わって子どもたちへの道徳、教育についてのサポートをしたこともありました。

アジアの青年育成のプログラムも始まり、カンボジアやミャンマーの子どもたちや日本人も先生となって合宿をしたこともあります。

様々な支援を経て、NPOが現在カンボジアで行っていることは主に「教育」にかかわることのようです。

たとえば、DACCのすぐ近くに「SayDaNan(ミャンマー語で「志」)ショップ」という場所を設け、店舗の形態を利用しながら地元の方々と交流し、カンボジアの人々への啓蒙活動を行なっています。


  
                                      DACC駐在スタッフ、素敵な笑顔でお迎えしています!



日本人のやり方(日本人が普通にしている道徳的なこと)を見て感じてもらい、少しずつでも「相手を想ってする行動」が浸透していき、カンボジアの未来に役立てば。。ということが目的です。


日本人が普通にしている道徳的なこととは。。。

例えばお店の人がお客さんに「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」と言うこと。
実はお店に入ってきた人ひとりひとりに「いらっしゃいませ」という国は日本だけのようです。
Pongyiにお泊りいただいた各国の方々が日本に来てびっくりされるのが、このことです。

お店に来てくださったお客様ひとりひとりに感謝を表し、丁寧に対応する、ということを私たちは自然に身につけているのです。


「かつて誇り高きクメール人は大らかで人に優しく親切であった」と私に語ってくださったカンボジアの方がいました。


旅人が家の近くを歩いていたら、必ず声をかけて家に招き、お茶を飲んでいってもらうような人々だったそうです。


内戦で隣近所同士で殺しあったり、死ぬほどの飢餓を味わった人たち、それ以後何が正しいことなのか教育を受けさせてもらえなかった人たちにとって、どのようなサポートが必要なのか、私たち日本人だからこそ出来ることがありそうです。


   

 
小さな手にクッチャクチャにお金をにぎりしめて、嬉しそうにパンを買いに来る元気な子どもたちに会えたことも嬉しい体験でした




特別なことではありません。いつ行っても店内や店のまわりまで掃除が行き届き、商品をきれいに陳列したり物品管理、日本なら当たり前のことがカンボジアの人たちのこれからに参考にしてもらえそうです。
それをこつこつと背中で見せていくという、気の遠くなるような地道な活動なのです。


このアジア拠点がカンボジアの人たちの職業訓練所のように使えるようになれば。。という目標があるそうです。

私たち参加者もショップの店員体験をさせてもらいました。
毎日パンを買いに来てくれる子供もいます。最初緊張の面持ちだった子も、見慣れた顔ににこっと笑顔も出てきます。

  
子どもたちにも来てもらいたいので小さい角食パンを焼いてジャムなど塗って提供。一番人気は日本製のマヨネーズパン!1枚500リエル=約12円。
ほかにチャーハンも手作り。3000リエル=75円



よくお店に来てくれる地元の子どもたちが自ら商品売りを手伝ってくれたことがあったり、

土足禁止の店内の前にキチンと履物をそろえる姿がみられたり、ほんとに少しずつだけど、何かが変わってきているんです。。と駐在スタッフが教えてくれました。
まずは、この「SayDaNanショップ」に通ってくる子どもたちの中から、ここで働いてみたい!という子が現れたらいいな。。と願います。





この日はちょうど私たちが日本からもってきたタオルを大量に買ってくださった日本人がいらっしゃて、聞いたところやはりボランティアのめにカンボジアで事業を起こし、住んでいらっしゃるとのことでした。同じ気持ちでカンボジアで動いてる日本人の方とつながりが出来ることもまた嬉しいことでした。


このショップでは今のカンボジアの人たちの暮らしが垣間見られる貴重な体験ができました。


目の前は幹線道路で車やバイク自転車、歩行者いろんな人を見ることができます。
車に乗ってる人たちはもちろん裕福な人。そんなにぼろぼろの車でもありません。


バイクに乗ってる人がだんぜん多いです。なぜなら公共の都市バス、電車は皆無なので
車を持てない人はほかに手段がないから一家に一台、借金してバイクを購入するというかんじです。ガソリン代は日本とあまり変わらず高価なため、ほとんどの人がちゃんとしたガソリンを使わず
ガソリンまがいのものを使ってると聞いたことがあります。


一家に一台のバイクに小さい子どもを真ん中にはさんで4~5人乗りも普通です。


自転車に乗ってる人は学生か肉体労働系の人が多いようです。
 
バイク二人乗りでフラッと寄ってくれた男性の若者二人は、大きなホテルに勤めている友人同士で、日本語が堪能でした。
それで仕事の時間帯や給料のことやらいろいろ聞いてみました。
月に25日、1日8~9時間働いて70ドルといってました。ちなみに公務員で100ドルと聞いたことがあります。日本人の給料の10分の1にも満たないかもしれません。
確かに食品や生活用品の物価は安いですが、先に書いたとおり、電気代やガソリン代は日本と同じくらいなので、相当大変だということが計れます。
二人のうち一人がアイフォンが欲しくて見にきたとのこと。カンボジアの若者の間でも流行ってきているようです。




次回はNPOの「縫製プロジェクト」と「シルクプロジェクト」をご紹介します。


by まる

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